Pro Toolsのエキスパートが、Pro Toolsでの作業で必要になる、便利なショートカットや、ティップスをご紹介します。
Pro Tools で作業される方は様々。 楽曲制作やレコーディング、MAなど現場のシーンによって使われ方も多種多用です。
あらゆる現場で対応出来るソフトだからこそ、基本概念をおさらいする事で意外に重要な事に気づく事も多いのではないでしょうか?
今回のTipsはそんな根本にまつわるお話。
ティックとサンプルと聞いて??が頭に浮かんだ方は要注目です。
そもそもPro Toolsはサンプルベースのプログラムです。この説明も既に難しく感じるかも知れませんが、
サンプルレイトが44.1KHzのセッションの場合は、1秒間に44100回標本化している事になり、
例えば5分ちょうどの位置をサンプル数で考えた場合
60*5*44100=13230000サンプル目がその位置となり、絶対時間が存在しています。
では、ティックベースとは?
Pro Tools では、4分音符=960ティックの分解能となります。
つまりティックは相対的な時間となり、テンポが変われば自ずとその時間も伸縮するのです。
ProToolsはトラック毎にティックかサンプルを選べます。
では、実際にどんな作業にサンプルベースを使い、どんな作業にティックベースを使うのでしょう?
答えは簡単です。 MAなど時間概念として絶対時間を持つ場合やライブ録音などセッション上のテンポが関係ない場合はサンプルを使用し、
音楽制作ならティックを使用します。
理由は下記をご覧下さい。
例えばセッションテンポをBPM=121とし、ティックベースのトラックとサンプルベースのトラックに全く同じ2小節の長さのオーディオサンプルを配置します。
同じ2小節の長さを500回ループします。
サンプルベースのトラックのリージョン最後尾に注目して下さい。
サンプルベース上のリージョンの方が数サンプル長さが短くなっているのが分かります。
メインタイムスケールを小節:拍に設定されているため、サンプルベース上トラックのサンプル端数処理が丸められているためです。
端数が出るテンポとBPM120のように端数が出ないテンポもありますが、端数が出るか出ないかなど分からないと思うので、
音楽制作者は迷わずティックベースとする事をオススメします!
新規作成トラックを常にティックベースとしたい場合は、初期設定で設定が可能です。
エラスティックオーディオ使用時にも、このティックベースとサンプルベースの理解が必要です。
あまり気にした事がなかった方も多いと思いますが、重要な概念ですので詳しくはリファレンスガイドも参照ください。