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Pro Toolsのエキスパートが、Pro Toolsでの作業で必要になる、便利なショートカットや、ティップスをご紹介します。

Pro Tools Tips: プレイリストとコンピング①

2013年1月29日

Pro Tools Tips: プレイリストとコンピング①

Pro Toolsのプレイリストとトラックコンピングについて全5回に分けてご紹介します。
日頃の音楽制作の中で是非試してみてください。

Pro Tools Tips: 編集プレイリストとトラックコンピング項目

  1. 編集プレイリスト
  2. トラック・コンピングツール
  3. 編集ウィンドウでプレイリストの表示
  4. 基本的なトラックコンピング方法
  5. 実践的なトラック・コンピング:クリップレーティングとレーンフィルタリング

*本Tipsポストは、DISC MAKERSとElectronic Musicianによる『PRO TOOLS FOR MUSICIANS』の一部を翻訳したものです。英語UIの画像が含まれますがご了承ください。

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Pro Tools Tips: プレイリストとコンピング①

編集プレイリスト
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編集プレイリストとトラックコンピング

ポストプロダクションやオーディオ制作の仕事では、「ワークフロー」という言葉を多々耳にすることがあります。ワークフローとは基本的に、最高クオリティの作品を制作するための無駄なく要領の良い作業の流れを意味します。Avidは業界で一般的に採用されているワークフローについて長年研究を重ね、より良いレコーディングやミックス作業のための効率的なワークフローを提案してきました。その一つとして、複数回録音されたいくつかのテイクを組み合わせて最も良いトラックを作るトラックコンピングがあります。
Pro Toolsでは、編集プレイリストと連携させることで、トラックコンピングを便利に行うことができます。ここでは、トラックコンピングと編集プレイリストの2つについて、どのように行うかを詳しくご説明します。

編集プレイリスト

編集プレイリストは、いわば、トラックに属する一連のクリップの集合体です。
たとえば、ひとつのオーディオトラックには、音楽、セリフ、効果音などどんなクリップでも含めることができます。トラックには、複数のプレイリストを適用することができます。そのため、新規トラックを作成せずに1つのトラックに対して複数のプレイリストを作って編集し、異なるバージョンをいくつか作成することが可能になります。あまり聞き慣れない機能かもしれませんが、操作は簡単です。さらに、編集に使うプレイリストに数の制限はありません。ですから、プレイリストの使い方を知れば、編集作業での柔軟性を向上させることが可能になります。

では、どのような状況で編集プレイリストを使用するかみてみます。

   
Fig1_3

 

Fig 1 に示されているトラックは2つのギター・クリップを含んだオーディオトラックです。この場合、このトラックは「ギター」という名前だと思うかもしれませんが、正確には、編集プレイリストの名前がギターであり、トラック上にある一連のオーディオクリップを意味します。

この後トラックに編集を加えても、オリジナルのバージョンはそのまま維持されますのでご安心ください。

Fig2_2      

Fig 2 の1にあるように、変更したいトラック上のプレイリスト・セレクタ・ボタンをクリックします(以降、「プレイリストボタン」と記述)。

Fig3_2      

Fig4_2

メニューが表示されます(Fig 3)。ここでは、既存のプレイリストに変更を加えたいので、メニューから「複製」を選択します。ここにクリップのシーケンスをコピーします。ダイアログボックスが表示されますので、複製されたプレイリストに名前を付けることができます(Fig 4)。

   
メモ: プレイリスト複製ショートカット
メニューから編集プレイリストを選択してプレイリストを作成するほかにも、下記のショートカットで実行することもできます。

  • 英語キーボード: トラックを選択してControl+Command+\ (Mac) / Start+Ctrl+\ (Win)
  • 日本語キーボード: トラックを選択して、Control+Command+む (Mac)

Fig5_2

複製したプレイリストに名前を入力します。
「OK」ボタンをクリックしてください。ダイアログボックスが閉じて、新しいプレイリストが作成されます(Fig 5)。

トラック名(編集プレイリスト名)が新しい編集プレイリストと同一の名前に変更されます。
これで、クリップ(最初のクリップを削除します)に対して編集を加えることができるようになりました。
こうすることで、複数のプレイリストをいつでも切り替えし、編集内容を聴き比べすることができます!

Fig6_2

 

プレイリストボタンをクリックすると、作成した編集プレイリストの両方が表示されます。再生中であっても、プレイリストを切り替えることができます。編集プレイリストは、ユーザーが様々な独創的な試みを施し、複数のバージョンを比較することができる優れた機能です(Fig 6)。

もちろん、編集プレイリストは、単にある特定のトラックに対する複数のバージョン作成する以外にも、元のトラックから完全に異なったバージョンのプレイリストを作成するためにも使用できます。

さきほどとは異なる状況で試してみましょう。Fig
7に示されているトラックは、ベースソロクリップを含んだオーディオトラックですが、編集プレイリストの名前はベースソロです(一般的に、ト
ラック名として参照されます)。このトラックで、オリジナルバージョンから完全に異なる編集をする場合をご紹介します(Fig 8)。

Fig7_3   

  Fig8_2

   

プレイリストボタンをクリックし、プレイリスト編集メニューが表示されます(Fig 9)。

    Fig9_2

ここでは、新しい編集を行うため、コピーではなく新規プレイリストを作成します。これを実行するには、「新規」をクリックします。すると、新規プレイリストに名前を付けるダイアログボックスが開きます。

メモ: 新規プレイリストショートカット
プレイリスト作成は、メニューから「編集プレイリスト」から選択する以外にも、
下記のショートカットで実行することもできます。

  • 英語キーボード: トラックを選択し、Control+\ (Mac) / Start+\ (Win)で作成することができます(Fig 10)。
  • 日本語キーボード: トラックを選択し、Control+む (Mac)

Fig10_2

   

新しいプレイリストの説明を入力します (例として、名前にはサックスソロと入力しました)。
[OK]ボタンをクリックしてください。ダイアログボックスが閉じ、新しいプレイリストが作成されます(Fig 11)。

Fig11_2

   

オリジナルのオーディオトラックに加えて、新しい空の編集プレイリスト準備ができました。このトラックにサックスソロを録音することにしましょう(Fig 12)。

Fig12_3

   

サックスソロを録音した後、プレイリストボタンをクリックして、テイクを決めることができます。再生中でもどんな時でも、編集プレイリストのテイクを変更することができます。

 

 

 

 

次の回では、トラックコンピングツールについて説明します。

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