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AVID導入事例:PRO AUDIO ASIA 誌:城西国際大学様とAvidラーニング・パートナー・プログラム の記事が掲載されました

2013年4月1日

PRO AUDIO ASIA 誌:城西国際大学様とAvidラーニング・パートナー・プログラム の記事が掲載されました

PRO AUDIO ASIA 誌2013年3月-4月号の『ニュース:教育』欄に、城西国際大学様とAvidラーニング・パートナー・プログラムについての記事が掲載されましたのでご紹介します(下記は記事を翻訳したものです)。

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東京の城西国際大学がAvidと提携して学生向けの特別カリキュラムを提供しています。バーニー・ジェイムソンが詳しく取材しました。

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(城西国際大学内のAvid Venue SC48)

「大学教育とは?」と、東京の城西国際大学(JIU)メディア学部のプルチョウ・ニコラス・ジロウ氏に質問したところ、社会に出たときに自分の居場所を見つける支援をすることだとおっしゃいます。

「どの大学も、生徒達がクリエイティブかつ幸せな人生を送れるよう教育を提供するものだと信じています。ところが最近、大学教育の目的が学生を就職させることにあるという意見があります。東南アジアの大学の多くも、同様の意見が見られます。そこで6年前に、城西国際大学は、大学の目標を業界とのパートナーシップに定めました。私たちは、この分野のメーカーによって保証されている教育システムを備えています。つまり、プロダクション分野です。」

千葉県と東京湾エリアにキャンパスを持っている城西国際大学は、最も包括的かつ有効な教育を生徒に提供するために、いくつかの課題に直面しています。メディア学部はポストプロダクションに焦点をあてていますが、それには、新しいテクノロジーを常に追いかけていく必要があります。もちろん、予算についての問題もあります。

そんな中、プルチョウ氏は答えを見つけました – 追い求める業界そのものとのパートナーシップを結ぶことです。城西国際大学の場合、Avidのラーニング・パートナー・プログラム(ALP)に参加しました。

プルチョウ氏は、「インターネットで検索して、Avidを見つけたんです。まず、Avid製品を生徒に実際に使わせることができるか見極めることが必要でした。つまり、私たちの学生がカリキュラムの履修を通じて最新のテクノロジーを習得することができるようにするのです。Avidでは、その必要な最新テクノロジーを提供してくれています。」

「しかし、テクノロジーについて学ぶということは、テクノロジーを使うことでクリエイティビティを養うということを理解しなくてはなりません。ですから、最初の2年でAvid製品の知識を十分に学び、その後、3年4年目は完全にクリエイティブ制作に専念します。最初の2年間は技術的なことを学び、残りの2年間はより芸術的なことについて学びます。」

 

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このやり方は決して珍しいわけではありません。Pro ToolsやMedia Composerといった自社製品の学習のために適したカリキュラムをメーカー自身が考案・提供する、Avidのラーニング・パートナー・プログラムに参加する教育機関が世界中で増えています。城西国際大学に対しては、Avidトレーニングおよび教育プログラムのアジア・パシフィック地域のマネージャであるアンディ・ハガーマンが担当しています。

「少人数ながらもワールド・ワイドのチームがカリキュラムを作成しています。私はその一員です。」ハガーマン氏は説明します。「プルチョウ氏のように、何を教えたいか理解している最高のパートナーを選ぶように心がけています。そして、教育のための基盤や技術の一部を提供します。この教育課程の最初の2年間は、各機能について学びます。これについては、Avidがプルチョウ氏をサポートします。最初の2年間を完了すると、生徒たちはキャンバスや絵の具、そして彼らの頭の中に描くものを外の世界に表現することができる状態になっているわけです。Avidのテキストはそのために作られています。私たちは、全員があらゆることをできるようにするためではなく、城西国際大学のような学校にとって役立つテキストを作るよう心がけています。」

このやり方は成功しました。「試験に合格した最初の学生は、現在、国内の大手映画スタジオでメインエンジニアとして働いています。」プルチョウ氏は笑顔で語ります。「彼は今、26歳です。日本では、その年でメインエンジニアになることはほとんど聞いたことがありません。彼は、何がしたいか意外は何もわからない状態から勉強して、成し遂げたのです。」

また、プルチョウ氏は、「技術的なことを理解せず、周囲の人を繋ぐだけのプロデューサーと仕事したい人はいません。今、業界でやっていくためにはそれだけでは十分ではありません。それが、Avidとのパートナーシップを結ぶことにした理由です。私の生徒達は、自分がどんなことに携わっているのか十分に理解します。生徒たちは、機器について学び、その内容についても理解します。市場について理解し、自分が何を売るのかを理解するのです。私たちのカリキュラムでは、フォーリー・アートや音の合成、さらに作曲、サウンド・エンジニアリング至るまでのサウンド・デザインについて教育します。生徒たちは全て学ぶので、クリエイティブかつテクニカルに育つのです。」

こういったアプローチは、近年、極めて重要だといいます。それは、プロのオーディオ・ビジュアル業界に限っては、様々な方面の専門性を持っていることが必須になっているからです。

プルチョウ氏はさらに語ります。「高等教育は今後を注意深く見通しています。かつては、サウンド・デザイナー、作曲家、エンジニア、ビデオグラファーがいましたが、これからはオーディオ・ビジュアル専門家が台頭してくると思います。あらゆることに幅広く知識があり多岐にわたる技術を備えている専門家です。その状況になったときに、我々こそがその教育の中心にありたいと思っています。」

「DAWユーザーやビデオ編集パッケージのユーザーは、廉価版ソフトウェアを使ってインターネットに新しいコンテンツを制作するために必要なスキルセットが驚くほど類似してきていることを鑑みると、その状況は既に起こっていると言えるでしょう。」

「ソフトウェアの価格が徐々に安くなってきて、1980年代には何十万ドルと大変高価だったものが今ではみんな簡単に手に入れることができるようになっています。しかし、ビデオとオーディオ市場がそんな単純になるなら、学生をテクノロジーについて教育し、良いかどうかの判断ができるように育てたいです。」

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「大学の理念は素晴らしいものです。しかし業界の支援なくしては、これほど総合的な教育を提供することはできなかったでしょう。」とプルチョウ氏は認めています。そしてさらに、アンディ・ハガーマンはAvid ラーニング・パートナー・プログラムの裏にある究極の目的を指摘します。

「業界の支援がなければ、学校は自力でテクノロジーの進化についていかなければならなくなってしまいます。それは大変難しいことです。また、それでは、進化を後から追いかけることになります。ソフトウェアの次のバージョンがリリースされると、先生にとっては全く知らなかった機能があり、管理部門に行って、購入予算を頼まなくてはならなくなります。購入の承認が降りて、新しいバージョンを導入したら、新しいカリキュラムを考え始めることができるようになります。しかし、そうなるまでにはすでに何か月もかかってしまうでしょう。カリキュラムが完成し、教えることができるようになる頃には、次のバージョンがリリースされてしまうかもしません。ですから、プロフェッショナルの実際の業界からは、常に1バージョン古くなってしまうのです。」

「我々は、将来リリースされるバージョンのワークフロー、新機能、製品についてのテキストやカリキュラム、資料を作成しています。公表してよい時期になると、全ての情報が既に記述され、準備が整っている状態なのです。先生が独自に製品を全て自分で学んで、新しいカリキュラムを作る必要はなく、我々が情報を提供し、さらに、最新機能について解説するトレーニングやオンラインセミナーを提供・更新します。」(ハガーマン)

プルチョウ氏はカリキュラムについて次のように教えてくださいました。「城西国際大学の場合、”Pro Tools 101”という形でIntroduction to Soundコースを提供しており、Avidとの関係がカリキュラムに織り込まれています。それこそが私たちがAvidと築き上げたいと思った関係です。Avidは、単にオーディオだけでなくライブ・オーディオや完全パッケージを提供しており、それこそが私たちが望んだものなのです。」

しかしながら、ALPプログラムに参加する全ての学校が城西国際大学と同じやり方で資料を活用しているわけではありません。「各学校がそれぞれのやり方でAvidカリキュラムを実施しています。」ハガーマン氏は説明します。「生徒のことを理解しているのは我々でなく学校ですから、柔軟なプログラムを提供しています。」

そしてハガーマンは最後に次のように語りました。「我々のゴールは、全世界の次の世代を支援し、クリエイティブな人々の信用を勝ち得ることです。良い企業が行う良い活動があるとすれば、それはトレーニングでしょう。私は、人々が成長して彼らができることを気づかせるために、ここにいるのです。城西国際大学は私たちの目標を達成する手助けをしてくれているのです。」

「大学がかつて背負っていた義務の半分を、今では企業が背負っていると思います。教育者とメーカーは、力を合わせて、学生が文化や制作文化について学習できるようにする必要があると思います。それこそが、役に立つ高等教育を造るための理念だといえるのではないでしょうか。」(プルチョウ氏)

www.avid.com
www.jiu.ac.jp

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(ジロウ・ニコラス・プルチョウ氏とアンディ・ハガーマン)

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