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AVID導入事例:ダミアン・テイラーがPro Tools|HD Nativeでザ・キラーズのアルバム制作

2013年2月27日

ダミアン・テイラーがPro Tools|HD Nativeでザ・キラーズのアルバム制作

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「ルネッサンス」という言葉を音楽のスキルに使うとすれば、4回グラミー賞にノミネートされたプロデューサー、エンジニアであるダミアン・テイラー氏がその名にふさわしいであろう。テイラー氏自身のWebsiteでは自身の肩書を「音楽プロデューサー、エンジニア、ミキサー、作曲家、プログラマー、パフォーマー、エディター、ソフトウェアデザイナー」としています。

音楽制作のすばらしい才能を持つテイラー氏は、ビョークを始め、Prodigy、UNKLE、最近はザ・キラーズと、色々なアーティストとのコラボレーションにひっぱりだこです。ザ・キラーズの最新のリリース、オリジナル・アルバムとしては4枚目となる『バトル・ボーン』では、テイラー氏はプロデューサーとして名を連ねています。

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テイラー氏は、テクニカル面からクリエイティブな面まで多様に関わり、このプロジェクトでは、モントリオールの自分のスタジオであるゴールデン・レシオ・スタジオとラスベガスのバンドが所有するバトル・ボーン スタジオ※の間を頻繁に行き来しました。 

※『バトル・ボーン』はダニエル・ラノワ(U2、ニール・ヤング他)や、スティーヴ・リリーホワイト(U2、ビーディ・アイ他)、ダミアン・テイラー(ビョーク他)、スチュワート・プライス(マドンナ、カイリ・ミノーグ他)、そしてブレンダン・オブライエン(パール・ジャム、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン他)といったそうそうたるプロデューサーがアルバムのプロダクションに関わっています。

互換性  コラボレーションの鍵

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「自分のスタジオでミキシングするのが本当に好きなのですが、このグループのクリエイティブプロセスとして同じスペースを共有する必要があったので、2つのスタジオ間を頻繁に行き来しました。Pro Tools|HD Nativeシステムはこのプロジェクトにとって欠かせないものでした。カードとインターフェースは簡単に持ち運べ、ラスベガスに到着したらそれを差せばいいだけですから。HDなのでスタジオと互換性が保てました。」

バトル・ボーン・スタジオを仕事の最優先に置き、チーフエンジニアのロバート・ルートを配置しました。スタジオはビンテージの雰囲気を保つかたわら、ルート氏は機材を最先端のものにするため、Pro Tools 10 softwareにアップグレードしました。

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「Pro Toolsに代わるものはありません。アリゾナ州のCRAS(the conservatory of recording arts and sciences)の卒業生であるルーツ氏は語ります。「最新バージョンは素晴らしい。クリップ・ゲインの機能が特に好きです。実は、新しい機能を覚えるのは得意ではないんです。使った方が楽しいですから。私がする仕事では、Pro Toolsは最高のソフトウェアです。」

Pro Tools|HD Nativeでクリエイティブ性に力を

Cw_210x110_killers3 ポータビリティと互換性はテイラー氏とルート氏にとって大陸をまたいでコラボレーションするには重要でした。両氏ともPro Toolsの大きな、複雑なセッションを簡単に扱える力を評価しています。テクニカル面の問題がクリエイティブ感を脅かすこともあるので、とてもオーガニックで、クリエイティブな環境でザ・キラーズのようなバンドと仕事をする時は信頼性が最も重要です。

「ザ・キラーズのリードボーカリストであるブランドン・フラワーズはいつも異なるコード進行やアイデアをします。ただやって来て、座り、流れるように事が進み、色々試したり、新しいアイデアを画策したりして何時間も過ごします。そして私はスタジオに戻り、ラフミックスをします。ルート氏と一緒働く時もあれば、ばらばらな時もあります。いつも私は多くのコンテンツとエフェクトを使ってPro Tools|HD nativeシステムを酷使します。システムのサウンドは素晴らしく、順調に動きました。私のコンピューターもちゃんと動きました。」

ボックスでミックスする傾向

Cw_210x110_killers4 テイラー氏はソフトウェアを使いますが、彼のスタジオには、時間がたつにつれ、使う回数は少なくなってきているアナログアウトボードギアの素晴らしいコレクションがあります。

「私の自分のスタジオでは、チューブ・プリアンプの本当に素晴らしいコレクションと本当にクールなアナログ機器たちがあります。その多くは自分でつくりました。何年か前、最新のジェネレーションのプラグインで実験をし始めました。それらは素晴らしく、サウンドも良かった。そしてポータブルであることが何より便利でした。それ以来、ボックスの外に行くことは考えなくなり、全てをPro Toolsの中で完結します。」

どんなテクノロジーであれ、その最も重要な役割はクリエイティブの自由を可能にする事、個々のアーティストの表現に広い道を与え、邪魔にならないようにする事です。ザ・キラーズとの作品において、テイラー氏はPro Tools|HD Native システムが大きな資産となることをいち早く認識しました。

Cw_210x110_killers5 「私のPro Tools|HDNative システムで、ほとんど問題なく動き、ミックスサウンドをよりよいものとした。色々と実験でき、このプロジェクトでしたように他人と、つまりロバート・ルート氏とバンドメンバーと、簡単に働く事ができました。」とテイラー氏は語ります。

「おそらく私が言えるPro Toolsの最良の例は、最終的にアルバムを作るに至らなかった膨大な量のすばらしい材料を作り、それがプロジェクトに流入するクリエイティブなエネルギーを持っている時に、リフレッシュし、またそれを最終的に曲として息を吹き込むための適切なツールだということです。」

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